2005年02月01日

プラネテス 第26話「そして巡りあう日々」

文句なし。完璧な締めくくり。素晴らしい最終回でした。これまでの25話で描かれてきた全てが、一旦ここに集約され、また未来へ向けて発展していくような…。涙が溢れ出すような類いのものではないが、深く静かな感動に包み込まれる。やはりプラネテスはすごかった。もはや語る言葉がない…、感想も書けない…、けど、一応なんか書いとかなくては。前回は批判的に書いてしまっただけになんか筆が重い、というかキータッチが重いような気がしますが…。25話と26話を続けて1時間の枠で放送してくれりゃ良かったのに。そうすれば、あんな感想書かなくてすんだのにー。などと、少しばかり後悔の念もありますが、まあ、あの時点での感想を書き留めておくことも、それなりに意味があったとしておこう。さすがに皆が「まあ、とにかく最終話を見なさい。話はそれからだ」と言うだけあって、25話の時点で色々納得いかないことも、この26話を見ればだいたい納得いきました。ただ、ハチマキの悟り方についてはやっぱり納得できませんでしたが…。

ただ、「人は皆繋がっている」というテーマは、この26話によって見事に完成したというか。この26話では、今までの登場人物が勢ぞろいして、これでもかとばかりに人と人との繋がりが描かれてます。もう本当に、マジで、鬼のように繋がってます。またそれだけに留まらず、これから先も連鎖的に指数関数的にバンバン繋がっていきまっせ!みたいな。すごいです。ま、とにかく、これですよ、これ。こういうのが見たかったんだよ。人は皆繋がってるんだと実感できるように、こういう風に物語として見せてほしかった。あんな25話の人間の螺旋みたいなイメージ絵なんかではなく。

ぶっちゃけ、ハチマキがこのプラネテスのDVD全9巻を見て、それで「そうか、すべては繋がってるんだ!」って悟るならまだ分かる。それなりに説得力はある。だけど、あんな海で溺れたときに見た、うさんくさい幻覚程度で悟るなんてありえない。あんなんで今まで自分が見てきた宇宙をいきなり全否定するなんて、全然説得力がない。つまり、こういうテーマを描く場合、ダイレクトなイメージ絵なんかよりも、いかに「物語の力」が大きいかということですね。これについては、舞城王太郎が「暗闇の中で子供」の中で上手いことまとめてる箇所があるので、ちょっと引用してみます。
どうしてこの世にないストーリー、フィクションなんてものをわざわざ生み出す必要があったんだ? 猿が進化しただけの俺達にどうして物語が必要になるだろう。(中略)喜びも悲しみも楽しみも寂しさも現実にあるもので十分なのにどうして作り話が必要になるんだ? 作り話はつまり嘘の産物だ。何で嘘なんかがここに介入して来たりしたんだろう?俺は答えをちゃんと知っている。それはつまりこういうことなのだ。

ある種の真実は、嘘でしか語れないのだ。

本物の作家にはこれは自明のはずだ。(中略)ムチャクチャ本当のこと、大事なこと、深い真相めいたことに限って、そのままを言葉にしてもどうしてもその通りに聞こえないのだ。そこでは嘘をつかないと本当らしさが生まれてこないのだ。(中略)そういう正攻法では表現できない何がしかの手ごわい物事を、物語なら(うまくすれば)過不足なく伝えることができるのだ。言いたい真実を嘘の言葉で語り、そんな作り物をもってして涙以上に泣き/笑い以上に楽しみ/痛み以上に苦しむことのできるもの、それが物語だ。
「人は皆繋がっている」という「ある種の真実」を、プラネテスは26話かけて見事に描ききり、証明してみせたと思う。だから仮に、ハチマキが宇宙真理教とか新興宗教を作って、その教祖をやる場合、「すべては繋がっているのですーっ! あなたもわたしもみんな繋がっているのですーっ! それが宇宙なのですーっ!」と街頭でいくら訴えてもダメなわけで、誰も聞いてくれないわけで、それよりも、プラネテスのDVD全9巻を聖典にして住宅を戸別訪問し、「いいお話が入ったDVDなんです。ポストに入れておきますから、また見ておいてくださいねー」などとプラネテスDVDを無料で配り歩いた方が信者を獲得しやすいというわけです。うちも基本的に宗教の勧誘はお断りで、冊子とかもらっても読まずに捨ててるけど、これなら喜んでDVDもらっときますよ。ええ。(入信はしないけどな。)

そういうわけで、25話のあの場面についてはまだ納得できていないのですが、とりあえず26話を見るかぎり、脚本家も物語として描く必要性を当然ちゃんと分かっていたようで安心した。まあ、この最終回をやるために、ハチマキには強引にでも悟りを開いてもらって、大急ぎで最終回に間に合わせる必要があったということでしょうか。

ハキムとクレアのエピソードに関してはすごく良かったですね。25話だけでは納得できなかったことも、これでだいぶ見方が変わってしまった。

まずハキムについて。
ハキムを負かすのはハチマキでもタナベでもなく、なんとノノでしたか。ノノ最強! さすがアルテミスの通り名は伊達じゃなかった。(一歩間違えれば殺されてたけどな…。) 振り返ってみれば、この出会いを描くためには、ハチマキとの決着をつけず、ああいう形で終わらせておいて良かったように思えてきます。ハキムは国という枠にこだわりすぎだとは思ってたけど、それを他の大人が指摘したところで分かり合えるわけもなく、結局大人同士ではハチマキとのように殺し合いにしかならず、ノノのような特殊な存在の、その子供の純真さでしか、ハキムの心を動かすことはできないということでしょうか。これでハキムが救われたわけではないし、テロリストを辞める決心をするわけでもないだろうけど、この出会いは、ハキムの中に何かしら大きなものを残したんじゃないでしょうか。しかし、ここで二人を結びつけてくるとは、やられました。やっぱすごいわプラネテス。また、この場面の構図がすごい。右半分は基地からの光が当たっていてそこにノノが立ち、左半分は暗闇の中でハキムが立ち、二人揃って地球を見上げる。なかなか深いものがありますよねー。本当に感心した。時間的には短かったし、サッと流した感じもあるけど、なかなかの名場面ではないかと。「二人の囚人が月面から地球を眺めたとさ。一人は国を見た。一人は星を見た」みたいな。いや、ハキムにも国は見えなかったわけですが…。

クレアとタナベの話は、25話の時点ではたまたまシャトルバスの通り道で助かっただけのように思ってしまったけど、真相は全然違ってましたね。本来シャトルバスは二人に気づかずに通り過ぎてたはずで、タナベを救ったのはクレアだったと。クレアの意識はないものと思ってたけど、実はしっかりしてて、タナベの行動も分かっていたんですね。全然意味が違ってくるなぁ。ここの場面はタナベのみならず、クレアの心を描く上でも重要な場面になったわけで。う〜ん、よくできた脚本ですよね。もがき苦しむタナベの絵まで入れてくれて、言うことなし。いや、タナベの決断の結果をしっかり描いてくれてるという意味で。

さあ、あと何を書こう。なんというか、もうプラネテスに関しては感想書く意味を見出せないというか。何を書いても自分の気持ちを全部言い表すことができるとは思えない。自分の感想文作成能力の範疇を超えてる作品ですね。(笑) ただ今は、もう一度、第一話から全部通して見直したいですね。気づかなかった点もいっぱいあるだろうし、最終話まで見た今だからこそ感じることもあるだろうし。プラネテスの凄さは、精緻に計算された完成度の高い脚本にあると思うんですが、なんとなく「絡新婦の理」の蜘蛛を思い出します。プラネテスの脚本家も見事に運命の糸をつむいでるというか。なんなんですかね、この美しいまでの構造は。まあ、すごい作品ですよ。個人的にはアニメ史を語るとき、エヴァンゲリオン→カウボーイビバップ→攻殻機動隊SAC→プラネテスと来ますね。この4つは別格です。中でもプラネテスは一ニを争うほど好き。さて、これに続く名作はいつ現れるのか…。とりあえず、今はプラネテスという素晴らしい作品が生まれたことに感謝して、もう一度再放送してくれるよう、NHKに要望のメールでも出そう。(笑) 今度は夜7時頃がいいなぁ。
posted by ごくし(管理人) at 18:43 | Comment(8) | TrackBack(6) | (アニメ感想)プラネテス

2005年01月24日

プラネテス 第25話「惑い人」

なんとも複雑な気持ちです。正直今回に関しては微妙…というか、はっきり言えば失望した部分が大きいんですが、ただそれだけというわけでもなく、ハチマキの心の問題やタナベとのことについて一応は決着がなされたということで、ほっとしている部分もあるというか。前回ベタ誉めした上に、あんな予想を書いたりしたせいで、余計にこんな気持ちになるのかも。今振り返れば、ちょっと浮かれすぎだったかな…とも思うけど、ただ24話はそれだけスゴイものがあったことも確かであり、期待が大きくなっても仕方ないわけで…。やはり今回は批判的な調子で行くべきだろうか。

まずは一番気になっていた、オチについて。
ハチマキとハキムとの戦いは、なんと弾切れオチ! くっ…ベタなオチをもってきやがって…。いや、まあ、ここは良しとしよう。せっかく殺す決断をして引き金を引いたというのに、弾が出なかったせいで余計にややこしくなりハチマキの心はますます迷走していく…というのはアリでしょう。そこに何らかの大きな力が働いたのかとか考えて話は哲学的な方向へ行ったり、一応はまた次の段階へと進めるわけですから。でも、この後が問題。なんと都合よく爆発が起こって二人は吹っ飛ばされ、ハチマキの方はさらに都合よくも鉄板が覆い被さってきて身を守られるものの、ハキムの方はそんなこともなくモロに爆発の威力を全身に浴び……。やっぱ死んだんだろうな…。で、二人の決着はうやむやのままという、ご都合主義極まれりな展開でした。一方、タナベの決断の方はいうと、これもまたご都合主義全開な「シャトルバスの通り道でした」オチ! 結局、二人とも殺人を犯すことはなく、逆に死ぬようなこともなかった。なんだこりゃ…。

自分の予想としては、少なくともタナベの方は酸素ボンベを奪わざるをえないと思ってましたが、別にその予想がはずれたからといって、失望したわけではないんです。ハチマキやタナベが殺人を犯すのを描くなんて、作品の性格から考えるとある意味冒険だし、それは避けて無難な方にもっていくというのは、充分理解できます。冒険して未知なる世界を開拓してほしかったという気持ちもありますが、その難しさを考えると致し方ないかなとも思う。

何が気に入らないかって、二人の決断なんか無意味になってしまうような描き方をしたこと。結果的に二人が殺人を犯さないで済むように描きたかったにせよ、前回からの流れを考えると、その決断の重さと、そこから生じる責任だけはしっかり描かねばならなかったはずだと思う。なのに、二人は極限状態の中で迷い葛藤した末に、最終的な決断を下したはずなのに、別のとこから起こった出来事によってそんなことは全く関係なくなってしまった。あれはいったい何だったのかということになる。せっかく、ここまで周到に物語を組み立ててきたのに全部くずしてしまい、それまでのテーマを放棄して別のものへとシフトさせてしまったように見える。そうなると、結局24話ってハッタリにすぎなかったの?と思えて仕方がない。この手法は23話から24話へまたがって使われたミスリードとは、全く性質が違う。今回の場合は明らかにご都合主義に逃げてるわけで、到底評価できるものではないと思う。なんでこういうことするかなー。

タナベの方は、悪魔の誘惑に負けることなく信念を貫いたものの、その代償として酸素欠乏症にかかったということで、一応は決断の重さを描いていると言えなくもないかも知れんけど、どうもなぁ…。「それじゃ、死んでろよ」とも思ってしまう。「なんでそんな中途半端なタイミングでシャトルバスが来るんだ? それも安易なご都合主義だろ」みたいな。いや、タナベは好きなキャラだし生きていてくれて嬉しい気持ちもあるんだけど、物語の構成上、どうもね…。視聴者が一番気になっている「タナベはどうなったのか」というのを伏せたまま話を進めて、最後に以前とは変わってしまった姿で登場させ…という演出は、これはこれで悪くないんだけど、前回からの続きとしてはどうなんだろう? 前回のラスト、狂気に取り付かれ恐ろしいまでに歪んだ顔から、今回の話にすんなり繋がるだろうか? それなら、一度酸素を奪おうとしてたところから、なぜ思い直して信念を貫くように変わったのかという過程を、ちゃんと描いて見せるべきではなかっただろうか。描きようによっては、ドラマティックなシーンにもなっただろうに…。

まあ、オチに関してはそんな感じで、納得するのは難しかったです。だけど、今回失望させられた原因としては、こんなこととは別に、もっと大きいものがありました。それはハチマキの心の問題と、その解決までの経緯です。

空間喪失症にかかって以来、ずっとハチマキの心の問題が描かれてきたわけですが、この描き方というのが、「もう一人の自分」の姿が目の前にハッキリ見えたり、その声がハッキリ聞こえたり、ハチマキもそれに対して実際に声を出して答えたりと、かなり極端な演出で、「アニメだから分かりやすい演出にした」では済まないレベルではないかと気になってた。それが今回ますますエスカレートし、記者会見でボケた答え方してしまったり、あげくは月面で二日間もボーッとさまよって死にかけたり…。もうほとんど分裂症の症状。本当に分裂症にかかっているという設定ならば、木星に行くどころじゃないし、たとえそうじゃなくて、これも単なる演出の範囲内だったとしても極端すぎる。誰しも悩みなど内面に問題を抱えているときは、普段とは違ってくるものだけど、ハチマキの場合はそういうのが極端に外に表れすぎている。そういうタイプの人間って常に周りに余計な気を使わせて疲れさせたり、ときにはちょっとしたことで衝突したりして迷惑かけるわけです。

とすると、果たしてそんな人間が木星に行く人類のエリート18人に入ることができるのかという、根本的な疑問が生じてくる。設定に説得力がなくなってきたというか…。ただでさえ宇宙飛行士って、どんな危機に直面しても絶対に動揺せず、任務を遂行できるような精神力の強さが求められる職業のはずなのに…。「ガタカ」なんかではこの点、宇宙飛行士はエリート中のエリートとして描かれ、感情なんてコントロールできて当然といった感じで冷たい印象をおぼえるほどで、その中に飛び込んだイーサン・ホーク演じる主人公も徹底的に自分を律する必要がありました。なのに、ハチマキときたら…。あんな脆い精神の奴が木星行っていいのか? 木星に行ったとき、もし「2001年宇宙の旅」みたいにモノリスが待ってて、まかり間違ってハチマキなんかがスターチャイルドになっちゃったりしたら大変ですよ。(笑)地球どころか全宇宙の滅亡の危機というものですよ。

そういうわけで、ハチマキの内面に焦点を当てた物語にしたいあまり、宇宙飛行士とはどういう職業かという基本設定の方に説得力がなくなってきてやしないだろうか、デブリ課の社員のような一般人ならまだしも、人類のエリートとかになってくると、こういう青臭いテーマは馴染まないんじゃないかという疑問が一つ。そしてあと一つ、今回失望した一番の原因が、そのハチマキの心の問題の決着の仕方。

バイクで事故って海に落ち、溺れる中で唐突に幻覚を見て、手を繋いだ人間たちの螺旋が宇宙のイメージと重なり、「あれが宇宙…? じゃあ、今の今まで俺が見てた宇宙はいったい何だったんだ…」。で、一気に悟りへ……というもの。

なにこの陳腐な演出。
まさかこの作品で、今更こんなものを見せられるなんて夢にも思わなかった…。ちょっとこれは衝撃的だったよ。メッチャクチャ脱力感に襲われた。エヴァンゲリオンの25話・26話を思い出した人も多いのでは。でも、まだあっちの方はシンジが答えに辿り着くまでの過程を、一応ご丁寧にニ話分費やして描いてるだけマシ。ハチマキの場合は、途中経過ほとんどなし。いきなりの人間の螺旋と宇宙のイメージだけで直観的に、一気に悟りの境地へジャンプ! 何話も費やして描いてきた最終地点がこれかよ…。だったら、さっさとバイクで事故ってろ!海で溺れてろ!みたいな。

とにかく、海で溺れることと、あんな都合のいい幻覚が見えることとの間に、どんな関係性があるのか分からない。好意的に解釈すれば、真っ暗な夜の海で一人っきりで溺れることで、孤独がよりハッキリと浮かび上がり、原初的な恐怖がハチマキの中の根源的な力を呼び覚ましたとか、そんなとこだろうか。いや、そんな風な演出には見えなかったような…。

あれかな、頓悟禅の世界ですかねこれは? そういうのがやりたかったのか? それなら、一休のように「闇夜に鳴いたカラスの声で悟りを開いた」みたいな、なんか衒学的でもいいから、それなりに深いものを感じさせるような演出でやってほしかったものだが。というかハチマキのって、「鉄鼠の檻」で京極堂の言ってた魔境ですよ魔境。あまりの劇的さゆえに悟りと勘違いしやすいけど、実はそれは真の悟りではなく魔境と呼ばれるもので、受け流さねばならないってやつですよ。なんかスッキリした顔しやがって、タナベにも分かったようなこと言ってたけど、いや、絶対分かってないね奴は。今は一時的に落ち着きを見せてるだけで、また何かちょっとしたことで、すぐにバランスくずして、何度でもやらかすに違いない。「鉄鼠の檻」にも京極堂のこんな台詞があった。
「人の心や意識と云うのは連続したものではないのです。連続しているように錯覚しているだけで、朝と夕、さっきと今ではまるで違っていたりする。脳と云うのはその辻褄を合わせようとします。頓悟とか、大悟とか云うのは、ほんの一瞬のこと。それ以降ずっと人格が変わるものではない。だからこそ、悟後の修行が大切なのです」
(んー…、なんか自分も頓悟禅的な悟りの定義と魔境との違いがよく分かってなくて、ゴッチャになってるような…。もう一度「鉄鼠」を読み直してみるかな。)

考えてみたら、チェンシンも可哀相な犠牲者だったな。こんな奴に引っ掻き回されて調子狂わされて…。いや、もっと可哀相なのはハキムか。こんな奴と張り合ってたなんてなぁ。結局ハチマキの心の問題がこんなレベルにすぎなかったってことは、ハキムとの対話は何だったんだろうってことになる。いったいハチマキは、ハキムの言ってたことを聞いてたのか? ハキムの言葉はハチマキの中に何を残したのか? ハキムの切実な訴えはハチマキの心に全く届いてなかったのか? 彼の示した重い命題は、ハチマキの問題とは全く次元の違う話だったのに…。

まあ、そんなわけで、色んなものをすっ飛ばしてる感が否めないのですが、一応はハチマキの辿り着いた答えは間違ってはないだろうし、タナベの元に帰ってきて、タナベも「やっと分かってくれたんですね」って感じで涙流して喜んでたりで、結果的には良かったんだろうな…。安易なご都合主義とか思いながらも、タナベの泣くところではちょっと感動してしまったり…。もう5回は見返してるけど、見ているうちに、元々プラネテスってこんなものだったのかも知れないなぁ…という気もしてきた。勝手にこっちが期待を大きくして盛り上がりすぎただけで。

さて、来週はいよいよ最終回。ある意味、今回の25話でもう終わってるような気もしますが、残り一話でいったい何が描かれるのか。個人的にはハチマキとチェンシンの会話や、クレアのその後に注目です。ハチマキはチェンシンに謝ったりするのだろうか。クレアはタナベに「認めるわ。あなたの愛はわたしを救った。でもすぐに死刑なんだけどね」とか言うのだろうか。(笑) ま、何にせよ、ここまで来たらハッピーエンドで、明るい気分にさせてほしいですね。
posted by ごくし(管理人) at 07:16 | Comment(7) | TrackBack(3) | (アニメ感想)プラネテス

2005年01月13日

プラネテス 第24話「愛」

ものの見事に予想がはずれました。
「ガンダムじゃねーんだよ。チェンシンがアムロになるわけあるかバカ。ハハハッ!」とか製作者の笑い声が聞こえてきそうで、ちょっと悔しい…。自分みたいにミスリードにひっかかってしまった人って多いのでは。まさか評議会とテロリストの間であっさり取引成立とはなー…。そういや、テロリストの親玉も「フォン・ブラウン号は月に落ちるんですよ。狙いは静かの海市」とかペラペラ自慢げに計画しゃべっちゃって、素人かコイツらとか思ってたんだけど、今思えば、やはりそれは脅しの文句に過ぎなかったわけで、親玉も初めから本気で落とそうとしてたわけじゃなかったんですね。やられた…。敵を欺くにはまず味方から。利用される駒に過ぎなかったハキムたち下っ端が哀れ。

クレアも死んでなかったし。ただフトモモ撃たれただけかよ! まったく紛らわしい表情に描きやがって。まあ、この方が良かったんだけど。やはりあんな死に方で終わらせるべきキャラじゃないですからね。

そしてまた出ました! ハキム×ハチマキとクレア×タナベのツープラトン攻撃!
まだタッグマッチが続いてたんですね。クレアが死んだと思ったので、てっきりタナベはハキム×ハチマキの戦いに割り込んでくるものと思ってた。そこで活躍するからこそのタイトル「愛」なのかと。そんな発想しかできなかった俺がアホに思えるほど、実際の展開は重いものでした。(いや、どうせアホですよ俺は)
果たしてタナベの「愛」は口先だけの薄っぺらいものに過ぎなかったのかどうか、こんな極限の状況下で試そうとは。なんつー辛すぎる試練。ラスト、狂気に歪むタナベの顔が見てて恐くもあり、人間の愚かしさを体現していて哀しくもあり…。

タナベの主義主張の根拠については、物語の始めの頃からずっと違和感はありました。前回の予告にあったタナベの「人間は愛すべきものなんです!」という台詞も、いかにも正論のようでいて、でもその根拠は何なんだと、なんでそんなに断言できるのかと、ただの思い込みじゃないのかと。ただ、そんな違和感を頭の片隅に感じつつも、タナベの強い語調のせいもあってか、この作品も結局タナベの主張が全てに勝って終わるのかと思っていました。他のいくつもの作品に見られるように、所詮プラネテスも、主人公の主義主張が最後には優先される物語世界であり、ご都合主義でありながらも、視聴者には分かりやすく受け入れやすい解答が提示され、「やっぱり世界はそういうものなんだ」と再確認させて安心感を与えるという、使い古されまくった手法が取られているのかと思っていた。そういうのにストーリーテリングの発想の限界を感じて残念に思いつつも、「まあ、こんなもんかな。アニメって」と自分の中で諦観しているところもありました。

だけど、この作品はやってくれた。
そんな発想の限界を超えていってくれた稀有な作品だと言えるでしょう。
嬉しくてしょうがない。喝采を送りたい気分です。
「最高!」とか「もう脱帽」とか、既に何度も使った言葉ではこの気持ちは表せない。
「おめでとう」とでも言おうか。
おめでとう、プラネテス! この作品を心から祝福します。(まだ途中なんだけど…)
この作品を世に送り出してくれた者たちに幸あれ!

………さて次回、タナベはクレアの酸素ボンベを奪ったのか。ハチマキはハキムを撃ち殺したのか。ハチマキの方はね、まだ色々可能性はあると思うんですよ。例えばハキムの足だけ撃って動けなくして警察に引き渡すとか。で、「俺はお前とは違う。お前のようにはならない」とか捨て台詞を言ったりなんかして。でもタナベの方はねぇ…。もう酸素ゼロでどうしょうもないですからねぇ…。さすがにここで救助の船が来たりして助けられるとか、そんな都合のいい展開はダメでしょ。ここまで周到に物語を組み立てて来て、それはありえない。救助が来るにしても、タナベの判断のだいぶ後でしょうね。

可能性としては5通りか。
A.ハチマキはハキムを殺さないし、タナベもクレアを殺さない。
B.ハチマキはハキムを殺さないが、タナベはクレアを殺す。
C.ハチマキはハキムを殺すが、タナベはクレアを殺さない。
D.ハチマキはハキムを殺し、タナベもクレアを殺す。
E.上のどれでもない。

この場合相手を殺したとしても、ハチマキは正当防衛だし、タナベも緊急避難で無罪ですよね。この作品に関しては予想なんて、ほとんど当たったことないので、今更こんなこと考えるだけ無駄という気もするが、やはり考えずにはいられない。
ん〜〜、迷いましたが、ここはBですね。クレアは助からない。タナベは人間の業を背負って生きていけ! そしてハチマキはそんなタナベを支えろ!
posted by ごくし(管理人) at 17:34 | Comment(8) | TrackBack(5) | (アニメ感想)プラネテス

2005年01月07日

プラネテス #23「デブリの群れ」

ついにテロがスタート。
冒頭からドルフが腹を撃たれたり、クレアがテロリストの正体あらわしたり、本格的な銃撃戦があったり、全編なかなかの緊張感。最後はハチマキとハキムが再び対決しようかというところで終わり、続きは次回。ん〜、さすが最後の大イベントらしく盛り上がってますね。相変わらず脚本もいい。テロの緻密な計画をしっかり見せつつ、主要キャラの動きも描き、緊迫感を盛り上げて最高の幕引き。文句のつけようがない。どっかの新番組も見習ってほしいものです。

とりあえず、どんな内容のテロなのかが一番気になってたんだけど、狙いは最高評議会ではなくフォン・ブラウン号の方だったんですね。なんかコロニー落としみたいで、一気にガンダムワールドにリンクしたかのような錯覚を覚えてしまった…。静かの海市に落とすってことは、まあ、失敗するんだろうな。まさか成功しちゃって12万人死んで、人類の宇宙開発はまた初めからやり直しなんて、そんなバッドエンドでは終わらないでしょうしね。そういうのもアリかも知れんけど、この作品ではやりそうにないし。

となると、誰が落下するフォン・ブラウン号を止めるかですが、個人的にはここは一つ汚名返上ということで、チェンシンにやってもらいたい! 今回のチェンシンはずっと貨物船でイライラしながら待機してて、エネルギー余りまくってる様子でしたからねー。これは次回フォン・ブラウン号を止める救世主となる伏線だと受け取れなくもない。きっとあの貨物船でフォン・ブラウンに突っ込んで、体当たりしてはね返すんですよ。質量が違いすぎるとか思う人いるかも知れないけど大丈夫! なんと言っても今はガンダムワールドとリンクしてますから。奴はアムロになるんですよ、逆シャアのアムロに。それで死んでしまっても、ハチマキが「チェンシン、やっぱお前はすげぇ奴だったよ…」とか言って反省して、見事汚名返上でハッピーエンド。これ最強!………いや、分かってます。妄想が行き過ぎたようで。まあ、普通に考えれば、ハチマキの親父が停止信号を解除してエンジン起動して助かるんだろうな。それらしき伏線があったし。

今回のテロでノノが死ぬんじゃないかと心配してたんだけど、どうやらフォン・ブラウンが落ちないとなると、死ぬことはなさそうですね。代わりにドルフがヤバそうで…。んー、これは予想してなかった。彼にはあまり思い入れはしてないせいか、いまいち死臭を嗅ぎ取るセンサーが働かなかったようで。(ハイエナか俺は)

クレアも、まさかあれほどアッサリ死ぬなんて…。
儚いというかあっけないというか。テロリストの命の軽さを描いてるんだろうけど。でも、もうちょっとクレアの物語を続けてほしかったよ。いい女だったのに、こんなとこで終わりなんてさ…。結局、最後はテロリストの一人に過ぎないって感じになってしまいましたね。本格的な戦闘訓練を受けたわけでもないのに、すっかり一人前のテロリストであるかのように描かれちゃって。もうちょっと人を撃つのをためらうような、ウブな場面とかあっても良さそうなんだけど、いや、でも、やはりああいう風に冷徹になれるところがクレアらしいと言えばクレアらしいのかな…。

で、いよいよハチマキとハキムの対決。
最後のハチマキは目がイッちゃってましたが、もうほとんど発狂してるに近い描き方ですね。空間喪失症になって以来、「もう一人の自分」との対話が続いてたわけですが、前から思ってたんだけど、あの「もう一人の自分」ってイヤにハッキリ姿が見えすぎですよね。ただの内面を描く演出にしては、ちょっと行き過ぎなので、もしかしたら実はマジで分裂症にかかってたというオチを考えついたんですが、如何でしょう。考えすぎ?
それにしても、ハチマキはまだまだ甘いですね。
ハキムの首に銃を当てた時点で引き金を引かなければならないのに。っていうか、わざわざハキムを取り押さえるなんてせず、背中から撃てばよかったのに。まあ、何かハキムに言いたいことがあるんだろうけど。でも予告を見ると、ハキムに形勢逆転されてしまったような絵もあるので、その甘さが命取りだとかまたハキムに責められそうな…。結局ハチマキはハキムには勝てないまま終わるのかな。次回はタイトルが「愛」なだけに、タナベが活躍しそうな雰囲気なので、意外とハキムに勝つのはハチマキじゃなくてタナベなのかも知れませんね。予告の台詞はハキムに向けられたものだろうか。

タナベって初めの頃、やたら先輩に噛み付いたり、第三話の突拍子もない行動なんかもあったりして、「こいつはカミーユの系譜に連なるガンダム系正統派イタいキャラだな。さすがサンライズ!」とか思ったりしたものでしたが、いつからか丸く可愛くなっちゃったような感じなので、ここは最後に一つ、ドカンと何かとんでもないことを一発ぶちかましてほしいものです。
「ここからいなくなれぇぇぇぇーッ!」(タナベ)
「ぐおおお…、わたしだけが死ぬわけがない…。貴様も連れて行く…」(ハキム)
なんてな…。

ああ〜、それにしても、あとたった三話で終わりか…。
他の新番組も期待できそうなのないし、見る作品が減っていくとこのブログに書くことも減っちゃって困るなぁ…。どうしよう。
posted by ごくし(管理人) at 16:18 | Comment(2) | TrackBack(3) | (アニメ感想)プラネテス

2005年01月01日

プラネテス #22「暴露」

遅れてますが、プラネテスの感想です。
この作品は一度見ただけでは感想を書きにくいんですよね。言い訳めいてますが…。
もちろん、全く何も書けないということはないんだけど、それよりもビデオを巻き戻して何度か見直して、自分の中で内容をよく咀嚼したり色々整理したりすることの方を優先させたいというか。
(でも結局、そこまでしてから書いても、ろくな文にならなかったり…。)

前回、ハキムの提示した命題が物語の軸になるかのような感想を書いてしまいましたけど、今回で所詮それも物語全体の複合的なテーマの一部分にすぎないという感じを受けました。
今回のメインはハチマキの「もう一人の自分」との対話だと思いますが、いつものごとく各キャラそれぞれの行動も同時並行で描かれ、次回起こるらしいテロの伏線がこまごまと張られていて、かなり注意深く見る必要がありました。

まずはハチマキの「もう一人の自分」との対話について。
いや、今回は今までのように「対話」ではないですね。一方的な心の声にハチマキは反論すらしません。ハキムのことがショックだったせいで今回のハチマキはだいぶ自信を失い、迷いが生じてますね。
その心の隙をいいように突かれ、「結局人間は一人。結局人間は一人」と繰り返す「もう一人の自分」の声に次第に傾いていき、一方で自分からタナベの部屋を訪れたり、ノノの部屋でタナベの台詞を思い出したり、ギガルトの「船には帰る港がある」という言葉も収められたビデオを見たりして心が揺れるものの、ついには「もう一人の自分」と同化してしまった様子。
しぶといですねハチマキは。一旦全てを捨てて試験を受ける覚悟を決めた後だけに。「人間は一人では生きて行けない」という真実にまだ至ることができない。
最後の台詞なんかビビりますね。
「苦しみは分かち合える」と言うタナベに対し、なんとハチマキはこう答えます。
「うるせぇーっ! 全部俺のもんだ! もったいなくってよぉ…、てめぇなんかにやれるかよーっ!」
どういう返しだよ。ひでぇ。
初め、しつこく囁きかける「もう一人の自分」に対して言ってるのかとも思ったんだけど、それじゃ意味が通らない。やはりこれはタナベに言ってるんですね。
まあ、涙出しながらの台詞なので、かなり葛藤もあるんだろうけど…。
まったく意固地ですなー。
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posted by ごくし(管理人) at 13:12 | Comment(2) | TrackBack(4) | (アニメ感想)プラネテス

2004年12月24日

プラネテス #21 タンデム・ミラー

やっちまったよハキム…。
ある程度予感してたものの、ちょっと衝撃的な展開。

一部の先進国とその他多くの後進国との間で広がる格差の問題。
それに抵抗できる最後の手段としてのテロを否定できるのかどうか。
そういう重いテーマを真正面から取り上げ、日本人である我々視聴者に対しても問い掛けるという、ある意味挑戦的な回でした。
今更ながら、やるなプラネテス! 心にグサッと突き立てやがりました。痛い痛い。

「迷うことはないのか?」というハキムの問いに対し、「わがままになることを恐がるやつに、宇宙なんて開けないのさ」という親父の言葉で返すハチマキ。
でも、ここは自分の言葉で答えなくてはいけないところですね。
このときのハチマキでは、親父の言葉が自分のモノになったとまでは言えないみたいだし。
そんなんだから最後のハキムとの対話でも、「宇宙開発の影であがく人々に何を見た。何も感じなかったのか」とか言われて答えることができず、あげくは「想像力のない」だの「自分に都合よく世界を捉えるだけ」だの言われ放題。
ハチマキにもクレアの「薄っぺらい」という批判の言葉がそのまま当てはまるわけですね。
脚本家うますぎ。
ハチマキ×ハキムと、タナベ×クレアのダブルで責める攻める。
(やっぱクレアもハキムに取り込まれちゃってて、テロリストやることになるのかなー?)

しかし、これは本当に難しい問題。
ハキムを堂々と否定できる視聴者はどれだけいただろう。
自分も悩みました。

こういうシチュエーションって、なんとなく「あしたのジョー」の金竜飛の話と似てますね。
あれは、金竜飛から朝鮮戦争下で体験した地獄の話を聞かされたジョーがショックを受け、「勝てる気がしねえ…」と一度落ち込むものの、最後には力石のことを思い出し、金竜飛を否定して、試合にも勝つという話でした。
ジョーがハチマキの立場ならこういうだろうか。

「ハキムよ…おまえは力石に劣るんだ…。
おまえは…自分だけが大変な地獄をくぐってきたかのようにタテにとり…、
しかもそいつを自分の非情な強さとやらのより所にしているようでは…なあ。
はっきり力石に劣るぜ!」

しかし、ハキムと金竜飛の立場も微妙に違うかな…。一緒にはできないか。
ただハチマキも最後に言ってましたね。

「お前は自分だけが不幸のつもりで…! 俺は…俺だって…俺は…!」

とか。
う〜ん、これはやはりジョーと似たパターンで克服するのかなぁ?
ハチマキも、あの親父のせいで苦労したりしたんだろうか?
ギガルトのビデオが、悩むハチマキにヒントを与える展開になるかもとは思ってるんだけど…。

俺個人としては、この問題に対する答えはまだ出せていません。
テロは認められないことは確かですが、ハキムを否定できるだけの決定的な論理を持てない…。
911のテロは個人的には大ショックでした。
「アメリカをここまで憎んでる奴がいたのか! アメリカはいったい何をしたんだ?
日本が平和ボケって本当に本当だったんだな。俺はいったい何考えて生きてきたんだ?」
って、感じで。

この問題に対するハチマキの(そして作品の)答えとはいかなるものでしょうか。
ますます先が楽しみです。
そこまでしっかり描いていたら、たしかにこれ、名作認定だな…。
期待していいのか。
posted by ごくし(管理人) at 15:39 | Comment(4) | TrackBack(3) | (アニメ感想)プラネテス

2004年12月17日

プラネテス #20 「ためらいがちの」

さあ、プラネテス!!!
これも舞-HiMEと並んで、毎週非常に楽しみなアニメです。
両方とも制作しているのはサンライズ。

ガンダムSEEDでは絵を使いまわしたりして手を抜いてますが、もしもその分、こういった良作アニメの方に力を注いでくれているのだとしたら、ガンダムの手抜きも許せるような気がしたり……、というか、むしろ、ガンダムSEEDはもう打ち切っちゃってもいいから、こっちに全力を傾けてほしいぐらいで………。

いやいや! まさかまさか! SEED DESTINYもまだまだこれからですよね!
きっとプラネテスや舞-HiMEに匹敵するぐらい面白くなりますよね!
そうですよね、サンライズさん!?

……………………。

では、そろそろ今回のプラネテスの感想を。
(ちなみに自分は地上波放送が初見です。)
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posted by ごくし(管理人) at 08:25 | Comment(1) | TrackBack(0) | (アニメ感想)プラネテス

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